古代の重宝 サヌカイト
突然ですが、太子町には「サヌカイト」という石があるのをご存知ですか?
私たち社会科学部の流域班では、サヌカイトについて調べました。きっかけは、鉱物のことに詳しい八丈先生に、サヌカイトの紹介をさせてもらい、興味を持ったからです。以前私たちは、奈良県香芝市の二上山博物館に見学に行かせていただきました。そこで、サヌカイトについて教わったことを紹介していきます。
そもそも、サヌカイトとはどのようなものなのかご存知ですか?
サヌカイトは、約3万年前に利用されていた鉱物で、縄文時代、弥生時代にかけて石包丁や槍の先端、釣り竿の竿などに使われていました。サヌカイトは砕くとその断面がガラスを割った後のように鋭くなるため、包丁や武器としての機能がありました。
そのため、古代の人々にも大変重宝されてきていました。
二上山(大阪府・奈良県)と 国分台(香川県)と 鬼の鼻(佐賀県)の三か所しかないため、サヌカイトは大変貴重な鉱石となっています。
太子町のサヌカイトは石の成分が多く含まれており、他のサヌカイトよりも硬い性質をもっているので、石で叩くと鈍い音がします。昔は、狩りの道具として使われていました。
香川県のサヌカイトは太子町のものよりも音はいいですが、耐久性があまりなかったので、主に楽器のような使い方をされていました。
ここでクイズです。下の写真のどちらがサヌカイトでしょうか。
正解は、右側の石です。
左側の石は、サヌカイトそっくりですが、実は違う種類のもので、サヌキトイドといいます。
このように、サヌカイトとサヌキトイドの違いは、見た目ではほとんど区別がつきません。そこで、サヌカイトとサヌキトイドの見分け方を紹介します。
サヌカイトとサヌキトイドの見分け方
サヌカイトは、何かに接触する音で簡単に見分けることができ、アスファルトの道路の上などで転がすと、その時の音の違いで判別することができます。実際に検証してみましょう。
サヌカイト以外の石(サヌキトイド)…鈍い音がでる‼
サヌカイト以外の石は、ガラス成分が少なく石の成分が多く含んでいるため、鈍い音が出ます。
サヌカイト…高い音がでる‼
サヌカイトは、ガラス成分が多く石の成分が少ないため、高い音が出ます。また、サヌカイト同士でたたくと高い音がでるため、カンカン石と呼ばれたりします。
ちなみに、サヌカイトの本場 香川県では、地元のもの以外のサヌカイトをサヌキトイドと呼んでいました。しかし、実際は岩石の性質の違いがあまりないため、ほかの産地のところのものもサヌカイトと呼んでいます。
・石匙(いしさじ)…「さじ」という名前がついていますが、スプーンとして使われたのではなく、動物の皮を剥ぐために使われたり、ナイフとして使われたりしていました。
・磨製石斧(ませいせきふ)…主に木を切るために使われていました。また動物の解体にも使われていたと言われています。
① 割る前にどんな石器にするかをイメージする。
② サヌカイトを丸い石でたたいて適当な大きさの剝片をとる。
③ サヌカイトは硬いが、適切な場所を選んでちょうどよい力でたたくときれいに割れる。
④ 剝片をまた割ってちょうどよい大きさになったら、鹿の角や小さな河原石でふちの部分を省いて仕上げる
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